2025年4月27日・・・神のあわれみと恵みに感謝する
それからイエスはその人に言われた。「立ち上がって行きなさい。あなたの信仰があなたを救ったのです。」ルカ17:19(11-19)
渡邊徹
ツァラアトという重い皮膚病を癒された十人の人の出来事から、「感謝の祈り」の大切さについて共に学びましょう。又、イエス様の与えられた恵みを感謝し、それを行動に現わすことの大切さを学びましょう。
《ツァラアトに冒された10人が共に癒される信仰を持っていた(11-14)》
「ある村に入ると・・・」と言われているが、それはサマリヤとガリラヤの境(11)を通っていた時のことでした。ツァラアトに冒された人は律法により他の人と距離を置かなくてはならないことになっていました(レビ記13:46)。そこで彼らはイエス様を見ると、遠くから大きな声で呼びかけました。病が伝染らないように、遠く離れて主に願ったのです。イエス様もまた遠くから声をかけました。どこまでもその人の信仰に対する応答であり、遠くから声をかけた彼らの姿勢に対してそのように対応されました。彼らは、みことばだけを頂いて信じる信仰を持っていました。「行って、自分のからだを祭司に見せなさい。」(14)と答えられたイエス様のことばを彼らは信じて向かいました。
《感謝するために戻ってきた1人、戻ってこなかった9人(15-16)》
ただ一人だけ感謝するために戻ってきた者がいました。彼はサマリヤ人でした(他の9人は、癒されたらそれっきりでした)。サマリヤ人は、歴史的にユダヤ人と仲が悪く、まことの神以外に偶像も礼拝していました。同じ病を患っていたため、ユダヤ人9人と彼は共に生活をしていました。苦しい時に救いを求めても、自分の抱えていた問題がなくなると離れてしまう。それでは信仰の豊かな実を結ぶことはできません。主の元に留まりましょう(ヨハネ15:1-5)。彼は大声で神を褒め称えながらイエスのところに戻ってきました。彼はこの癒しがイエス様から来たものであることを認めただけでなく、何としても恵みを下さった方に感謝を表したいという意思を持っていました。
《「あなたの信仰があなたを救ったのです」(17-19)》
イエス様は戻って来ない残りの9人に対する失望を語られます。「この他国人のほかに、神をあがめるために戻って来た者はいなかったのか。」(18)という表現には、本来神に選ばれた民であるはずのユダヤ人たちが神に感謝を表さないことへの失望が表われています。イエスは彼を励ますように「あなたの信仰があなたを救ったのです」(19)と言われました。これは信仰により病を癒されたことに留まらず、信仰によって救われたことを表しています。恵みを受けるばかりでなく、恵みに応答し、自分にできるかたちでイエスに近づき感謝をささげる姿勢、これこそが大切です。私たちがたくさんの恵みを経験し、それを一つ一つ数えて感謝するとき、イエスとの関係が深められ、イエスを近くに感じる歩みとされていくのです。神は、私たちに、すべてのことについて感謝し(Iテサロニケ5:18)、主が良くしてくださったことを何一つ忘れない(詩篇103:2)ことを望んでおられます。主に感謝することこそ、主の愛とあわれみの大きさに気づき、信仰を豊かにされる秘訣です。